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怜陽は目を覚ました。
ぼんやりとした景色で何だかよく分からない。
「あら、目を覚ましたみたいね」
聴き慣れない声が聞えるけど、声の主の方に顔を向けることが出来なかった。
「分かる? 鳥塚怜陽さん。ここは栄台総合病院。あなたは交通事故を起こして、かなり危険な状態だったの」
返事をしたいけど声が出ない。
「でも良かったわね。たまたまアタシがあそこにいて。じゃなきゃ今頃、お葬式の真っ最中だわ」
そういえば……。怜陽は事故を起こしたことを思い出した。と同時に、身体中の痛みも感じる。
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