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麻酔が切れているのか、何なのか分からないけど、この痛みを抑えてほしい。でも、上手く喋ることが出来なくて、それを医師に伝えることが出来なかった。
「熊埜御堂先生、まだいらしたんですか?」
「あ、久岡さん、鳥塚さん意識が戻ったから、後はお願いできる?」
「はい」
「じゃあアタシ、今日はもう上がるから、後はよろしくね」
どうやら自分を助けてくれた医者の名前はくまのみどうと言うらしい。
名字が熊野で、名前がみどうかな。みどうってどんな漢字を書くんだろう……。
遠ざかっていく声を聞きながら、怜陽はそんなことを思った。
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