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「あの……ホラーなんですけど。なんで、ここにいるんですか?都内ならまだしも、京都の翔真が通っているこども園のクリスマスパーティーにくるって」
翔真がおんぶされているから、撒きたいけど撒けない。
「莉子と翔真が無事に生活できてるか心配だから探偵雇って見守って貰ってた」
イブトランにここの住所を伝えていない。
会社から配給されたノートパソコンなども前に住んでいた住所を記入した。
東京にいた頃から私が逃げ出さないか探偵に見張らせていたのか、執念深過ぎる翔琉くんが恐ろし過ぎる。
「莉子、なんで俺の前から居なくなる?心当たりが無いんだが。俺たち、上手くいっていたよな?」
翔琉くんの私に対する執着心。
溺愛を通り越し狂愛のレベルに達している。
「莉子とやり直したい」
「……無理」
再会してからの一連の出来事で、翔琉くんに対して恐怖感が芽生えてる。
「翔真くんのためにも結婚した方がいい。莉子に何かあった時、翔真くんどうするんだ!!」
両親が亡くなって天涯孤独になった時、翔琉くんがいたから辛さを乗り越え、そして寂しさから逃れる事ができた。
「莉子が俺の前から居なくなってから、ずっと莉子の事を探していた。やっと見つけだす事ができた。お願いだ、俺の元に戻ってきてくれ」
「考えさせて。……今日は帰って欲しい」
翔真の事を考えたら、翔琉くんと結婚し、一緒に子育てした方がいいのは確か。
助けてくれる人がいない私が1人で子供を産み育てる事はリスクがある。
だけど、翔琉くんとやり直す事を即決できなかった。
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