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「莉子、夕飯用意してないだろ。ウーバーで鰻重とざる蕎麦頼んだ。食べてっていい?」
「……どうぞ。ご馳走様です」
年末年始休暇、居留守を使いたかったけど翔真がインターフォンを開けるから、毎日翔琉くんを家の中に招いてる。
「ねぇ、なんでお父さん、毎日帰るの?なんで一緒に住めないの?」
翔真からの言葉に戸惑う。
翔琉くんは翔真の実の父親だけど、私とは赤の他人。
それを伝えるのは3歳児には酷な気がして悩む。
「お父さんは仕事があるから。お母さんも翔真くんが寝てる時に仕事をしてるだろ。明日、また来るから!!」
翔真に言われたからと泊まる事はせず、私を気づかって帰ってくれた。
翔真がいるのもあり、翔琉くんは結婚を求めてぐいぐいこず、息子とのひとときを楽しんでいた。
休み明けまで毎日マンションに通ってきたけど、嫌ではなかった。
目的が翔真との家族団欒だったからかもしれない。
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