突然現れた御令嬢

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音・光・映像と生きものが融合する最先端のデジタルテクノロジーを駆使した空間。 幻想的な空間に翔真は感動していた。 「楽しかった!!」 メリーゴーランドや海賊船の振り子みたいなアトラクションがあるコーナーが新設されていて、翔真が大興奮して翔琉くんと何度も繰り返し乗って遊ぶ。 「可愛い!!」 野外広場でオットセイとペンギンのミニパフォーマンスを見て、イルカにタッチとカピパラにご飯をあげる。 直に触れ合う事ができ、翔真は嬉しそうだった。 「そろそろランチに行こうか!?」 午前10時に入館したのに、気づいたら午後1時を過ぎていた。 「ランチビュッフェに行こう」 品川プリンセスホテル内にある創作料理レストランに入る。 翔琉くんが翔真と料理を取りに行ってくれるから、私はゆっくりご飯を楽しむ事ができた。 「えっ、嶋田常務、隠し子がいらしたのですか!!」 翔琉くんが翔真を甲斐甲斐しく世話をしながら食事をしていたら、女子会の帰りと思われる女子力高めの御令嬢っぽい女性に話しかけられた。 私はちょうどドリンクを取りに立っていて、席を外していた事にほっとする。 「……ソミーIEの深井誠子さん?ご無沙汰してます。隠し子といわれたらそうなりますね。私の大切な息子の翔真です」 翔琉くんが翔真を女性に紹介する。 「……大学時代にお付き合いされていた方が子供を産んでたのですね」 見覚えのある女性だなと思っていたら、ソミー創業者一族の御令嬢だった。 翔琉くんがソミーIEの正社員になってから、同期なのもあり何かと接触してきた人だった。
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