再会は突然に

2/2
前へ
/47ページ
次へ
「……えっ、翔琉くん?」 きれいに整えられた黒髪に、凛々しい直線的な眉、涼しげな切れ長の目。 鼻筋が通った高い鼻に、形が整った薄い唇。 男らしい端正な顔した、大人の魅力があふれる大学時代に私が交際していた元恋人、嶋田翔琉が私に近づいてきて、私の腕を掴み、車の中に連れ込んだ。 「西原、彼女とじっくり話をしたいから、パークハイラットホテルに降ろして」 元彼女の私を、超高級ホテルの部屋に連れ込もうとしている。 「突然前に現れて、車で拉致するなんて、犯罪だよ!!降ろして!!私、6時半までに帰らない時いけないの!!」 腕時計の針は5時半を指している。 仕事で迎えにこれない時は延長保育で21時までお願いしているけれど、ホテルの部屋に監禁されたら、いつ解放されるかわからない。 「4年半、ずっと莉子を探していた。急に俺の前から姿をくらませやがって!!逃すわけないだろ!!」 冷たい視線を私に向けた。 顎を持たれ、怒りをはらんだ冷たい視線を向けられ、目を瞑ることもできず、固まる。 「莉子が卒業したら結婚するって言ってたよな!!婚約解消を俺は受け入れていない。時効は成立しない。今すぐ、結婚しろっ!!」 再会してから5分経たないうちに、脅しのようなプロポーズをされ、身体が震える。 後部座席に押し倒され、組み敷かれ、噛みつくように唇を奪われ、口内を犯される。 「……う、運転手さんが、み、見てる!!」 「そんなの関係ない!!」
/47ページ

最初のコメントを投稿しよう!

981人が本棚に入れています
本棚に追加