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会社買収で社長就任
『イブトランが買収された!!』
業績がかなり良い会社なのに、なぜか好意的買収をされてしまった。
「……はっ、翔琉くんが代表取締役社長になるの?」
朝のオンラインによる全体朝礼で、身体にぴったりと合った仕立てのいいスーツ姿にいかにも仕事ができるオーラを放つ翔琉くんが立派な執務机に座り、自己紹介をする。
29歳と若いが貫禄はある。
鬼畜なオーラが漂っている。
イブトランの創業者社長の息子らしく、イブトランの重役達は翔くんにあたまが上がらない様子。
オンライン全体朝礼後、仕事に取り掛かるも、集中できない。
再会からの拉致やらかしから1ヶ月が経った。
音無沙汰がなく、懐かしさと彼を捨てた私に対する嫌がらせ的な行為だったのかなと思っていた。
まさか、勤務先の会社を好意的買収して、社長として私の前に現れるとは思わなかった。
ピーンポーン
ずっと空き部屋だった隣の部屋に入居者が入り、その挨拶で来られたのかもと、仕事を中断して玄関に向かう。
「……翔琉くん、なんでここにいるの!?」
イブトランの代表取締役に就任し、社員名簿を見て、私の住所を突き止めたのかもしれない。
「隣に引っ越してきた。ランチタイムだろ?引っ越しそばと寿司をウーバーした。一緒に食べよう」
私の腕を掴み部屋から引き摺り出し、隣の部屋へ連れ込まれた。
高級鮨屋の極上寿司と天麩羅付きのざる蕎麦がダイニングテーブルの上に置かれてる。
「昼休憩は短い、食べよう」
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