4人が本棚に入れています
本棚に追加
先に踏み出したのはアズラエルだった。大槍を大きく横薙ぎに振るうと、ベリアルはそれをひらりとかわす。
ベリアルは右手に拳銃と剣が一体化した武器を、左手に細身の剣を出し、アズラエルの腹目掛けて右手の剣を振るった。大槍の柄でベリアルの攻撃を防ぐと、ベリアルの腹を狙って蹴りを入れようとする。ベリアルはそれをかわして、大きく距離をとると左手の細剣を振りかぶった。
「!」
アズラエルは高く跳躍し、この後起こる出来事に備えた。振るわれた細剣は、剣の外見以上の範囲を薙ぎ払った。ベリアルの前方の地面が削れ、切れ込みが入っている。跳んでいなければ、アズラエルも巻き込まれていた。
「鞭剣……」
「ああ、やっぱりかわすか。まあそうでなきゃなあ?」
今度は右手の剣銃を空中のアズラエルに向け、引き金を引いた。アズラエルが銃弾を叩き落とすのを見て、ベリアルは目を細めて笑い、連続で引き金を引く。アズラエルは銃弾を全て弾き、地面に着地するとベリアルとの距離を詰めて大槍を振るった。
「ワンパターンじゃ当たらないぜ、アズラエルちゃん? せっかく色んなテク持ってんのに、もっと色々シてくれないと」
アズラエルの大槍での連撃をかわし、防ぎながらベリアルは笑う。
「そっちが先にイっちまうのはズルいだろ?」
言動はともかく、ベリアルの実力は確かだ。いくらアズラエルでもベリアルを相手にして手を抜けば、やられる可能性は充分にある。
最初のコメントを投稿しよう!