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第二話 善と悪の軍団
地獄、第1層。既に戦いは始まっていた。
鎧に身を包んだ天使と、人型や異形の悪魔が入り乱れている。
「第1068隊、交戦開始しました!」
「第30457隊、支援攻撃を開始!」
前線基地で多くの報告を受ける司令官の天使は顔を顰めていた。
「まだ戦いは始まったばかりだ、焦ることは無い……」
自分にそう言い聞かせるように呟く。勿論長引かせるつもりは無い。できるなら早くにこの戦いを終わらせたい。そのためにはどうするべきか。
(一番いいのは短期決戦だ。しかし自分の権限ではそれが出来ない……)
今接敵している敵軍を無理矢理突破し、他の天界軍の道を切り開くか。
(部下にはすまないが、そうするしかないか)
全ては神のため、天に属する全てのため。
そう考えた時だった。伝令の天使が司令官の元に走ってきた。
「報告! 東よりアムシャ・スプンタのハルワタート様の軍、西よりアムルタート様の軍が敵軍に対して挟撃を開始したとの事です!」
「なんと……!」
なんという僥倖だろうか。そう考えた時、同時にある事が頭をよぎった。
「正面の兵に伝えろ、すぐに東西のハルワタート様、アムルタート様の軍に合流しろ!」
伝令は了解、と返事を返し飛び去って行った。
司令官は声を張り上げた。
「気をつけろ! 早速ダエーワの者が来るぞ!」
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