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「さては濡れてしまいました? 身体は正直ですね」
鷹司もしゃがみ、小首を傾げ瑠璃子を覗く。
兄の菫よりひと回り以上小さかった幼馴染みはもう記憶の中にしか居ないのだろう。目の前でほの暗く微笑む鷹司はーー雄、である。
「足を開きなさい」
鷹司は瑠璃子の味を確かめる風に唇を舐めた。
その唇は翻弄する言葉ばかり告げるも、巧みで繊細な動きをする。体感したからこそ従えず、瑠璃子は指示とは逆に足を閉じる。
「あ、あなたがわたしを抱くの?」
今更な質問でも確認しておきたい。鷹司の雄の部分に瑠璃子の雌が潤うのは恥ずかしさや惨めさを超え、恐怖。動物じみて自我を保てそうもない。
いや、むしろ人間性など壊れてしまえばいいのだろうか? 理性を手放せばいちいち戸惑ったり傷付かなくて済む。このまま堕ちてしまえば楽になれるかも。
鷹司が沈黙するうちに考えを巡らせる。けれど、残念ながら彼はお見通しであった。
「最初に貫くのは瑠璃子ちゃんを買ったお客様です。僕は壊さないよう君と遊ぶだけ。ねぇ、遊びましょう?」
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