17人が本棚に入れています
本棚に追加
拓真、私ともう話したくないのかな。戻ってきてくれるなら、私は全然気にしないよ。恋人同士ならケンカになることくらいあるよね。でも、ケンカして、いっぱい話し合って、折り合いつけて、今までだってやってきたじゃない。
二人で出かけた時の写真、部屋に飾ってる。一緒に水族館に行ったよね。鮮やかな魚に目を奪われて、二人で感動してたよね。たくさんのペンギンを見て「かわいい!」っていっぱい写真も撮ったよね。
スマホの中にも二人の思い出がたくさんある。こんなにも一緒に過ごしてきたのに、あんな些細なことで私たち終わってしまうの?
あれから何度かけても電話に出てくれない。拓真はまだ怒ってる? 出てくれない電話を何度もかけるのって、結構辛いんだよね。
――プルルルル、プルルルル、プルルルル、プッ。
「……あ!」
一瞬繋がったと思った。心が飛び跳ねそうなくらい嬉しかったのに、すぐ切られた。また期待させられて落とされる。拓真とはいつもこんな感じだ。私、いっぱい我慢してるよ? こんなにも、会いたくて、声を聞きたくて、抱きしめたくて……。
私、そんなに怒らせるようなこと言った? 拓真が一方的に怒鳴りつけてブチ切れたんだよね? こんな終わり方……したくない。
拓真……。会いたいよ。
最初のコメントを投稿しよう!