3/3
前へ
/15ページ
次へ
 浴室に向かって早足で歩きながら、僕は声を出さずに心の中で猛抗議した。 『バード、今のは反則だ! 人の身体を使って他人に危害を加えるな! 彼女、本気でおびえてたぞ』 『そうじゃないユキヤ、私はただ彼女の心を覗きたかったんだ』 『だからっていきなり手首をつかむか? 口があるんだから言葉で聞けよ』 『言葉にすると解ける魔法もあるんだよ』  バードは謎めいた言葉を返してきた。 『私はあの子が気に入った。彼女の心はとても甘美だ。あのエネルギーを少し分けていただくことにするよ。そうしたら私は、おまえを食い殺さずに済むだろう』
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加