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浴室に向かって早足で歩きながら、僕は声を出さずに心の中で猛抗議した。
『バード、今のは反則だ! 人の身体を使って他人に危害を加えるな! 彼女、本気でおびえてたぞ』
『そうじゃないユキヤ、私はただ彼女の心を覗きたかったんだ』
『だからっていきなり手首をつかむか? 口があるんだから言葉で聞けよ』
『言葉にすると解ける魔法もあるんだよ』
バードは謎めいた言葉を返してきた。
『私はあの子が気に入った。彼女の心はとても甘美だ。あのエネルギーを少し分けていただくことにするよ。そうしたら私は、おまえを食い殺さずに済むだろう』
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