とある 守護霊の話。

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俺は、当然、呼ばれる。 彼女の大きな心の声が、俺の頭の中に響いてくる。 俺は、彼女の将来を知っている。 それは、1つではない。いくつもある。 彼女もそれを知っている。 その中で、何を選択すれば良いか、俺に聞いて来た。 俺は、彼女の顔を見た。 彼女にとっては、必死で、悲壮な顔をしている。 しかし、俺は、直接、彼女と会話出来る事に、また喜んでしまった。 伝えたいのに、伝わらない。 俺にとっては、その、もどかしさが、溜まりに溜まっていたからだ。 「また、会えたね。」と、彼女の耳に囁いた。 当然、彼女には、聞こえない。 大きな術式で、彼女の霊力を増強したとしても、彼女は無心になる事と、 手に集中しているのだから、無防備になっている、他の部分には、 何をされても、何も感じない。 俺は、彼女を後ろから、ぎゅっと抱きしめた。 俺の話をしっかり聞けよ。というふうに。
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