古紙の日

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 変な夢を見た日は、昔のことを思い出してしまうものだ。私はソファーでうたた寝して、隣には長男が同じように昼寝布団で眠っていた。目を覚ましたのはチャイムの音だった。開けてみれば宅配便で、私は両手に載るほどの大きさの段ボール箱を受け取った。その内訳を見て、ニヤリとした。  趣味の仲間と結婚し、育児の忙しさから趣味と少しばかし距離を置く、よくあることが自分にも起きて、最近宅配で届くのは子供用品、生活用品ばかりだった。それが「イセリュウ」がアニメ化し円盤が発売されるとなったので、初回限定盤を買ったのだ。積ん読でもいい、ともかくファンとして手元に置きたかった。  子どもが眠っているのを見て、テーブルで箱を開けたとき、その箱から懐かしい匂いがした気がした。夢のことをふと思い出した。そして私はさっきよりも憎たらしくニヤリとした。  どうやら私ののろいはちゃんと効果を持っていたようだ。  「また会えたね。」
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