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Tue.
登校した時、工事現場が短くなっていた。警備員は1人だった。3人は心ここにあらずで一日を過ごしていた。思った通り、帰りに現場にいたのは「どうぞー」さんだけだった。
「昨日はありがとうー」
「いえ…」
「お疲れ様です…」
「さようならー」
落胆した3人が無言で歩いていると、道の左側にある公園からイケメンが出て来た。
「お帰りー」
「あ‼︎小池さん‼︎」
私服姿のイケメンに3人は気絶しそうになった。
「何で何で⁈」
「昨日の帰りに急に『今日で最後ね』って言われてさー。だから今日は、3人にお別れを言いに…」
「え…」
明日まで会えると思っていたのに、急に今日で最後だと言われると3人は悲しくて泣きそうになった。
「これ、昨日のお返し…」
小池さんがそう言って、私たちに一つずつラッピングされたキャンディーをくれた。嬉しくて、切なくて、胸がチクチクした。
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