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「…最後の質問、していいですか?」
「何?」
「彼女はいますか?」
「…あー」
「いますよね…」
「…いや、ちゃんと言う。もう別れたけど、好きな人がいる」
「訳ありですか?」
「遠距離で寂しいって言われて振られたんだよね…」
「もったいない事しましたね…遠距離くらいで振るなんて」
「別れちゃったら遠距離よりもっと会えなくなるじゃんね?」
「…諦めちゃったんですか?」
「いや…だからそれで、地元に帰ろうって思ったんだよね。未練がましいけど」
「寄りを戻すためにですか⁈」
「もう無理かも知れないんだけど…」
「無理なんかじゃないですよ‼︎」
「帰るって言ったんですか?」
「…いや、まだ」
「何やってんですか⁈早く言わないと‼︎」
「そうだよ‼︎早く‼︎今‼︎」
「え⁈」
「今電話して‼︎」
「絶対大丈夫だから早く帰るって教えてあげて‼︎」
小池さんに恋をしていたはずの3人が、すっかり恋の応援団と化していた。勢いに圧倒されなぜか素直に元カノに電話をかける小池さんを熱く見守る3人。
「月末、そっちに帰る。ずっと…役所で働く。うん…。わかってる。うん…好きだよ」
イケメンの「好きだよ」の衝撃波に撃ち抜かれた3人は、涙が止まらなかった。幸せな気持ちに自然と溢れた涙だった。
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