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山道でのこと
フィールドワークのために、木が生い茂る山道を歩く。
突然空が暗くなった。分厚い雲で陽の光が遮られたのだ。
このままだと雨が降るかな。そう思って足を止めても雨が降りはじめない。
それなら先に進むかと周りを見ると、急に進むべき道がわからなくなった。
慌てて地図とコンパスを出して道を確認する。けれども、頭がぼんやりとしてうまく地図が読めなかった。
これはまずい、疲れてるな。甘いものでも食べて一休みした方がいいかもしれない。そう思って荷物を降ろして座り込むと、突然声が聞こえた。
「用心深いやつだな」
驚いて周りを見回しても人影はない。
あの声はなんだったのだろう。ぞっとしていると陽が出てきて、道がわかるようになった。
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