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燃える里
小鬼を追いかけて赤鳥居を抜けると里の入り口が見える。そこには里の住人達が集まっていた。
住人達をめがけて小鬼は走っていくので、ぼくは刀を投擲して鬼の頭を貫く。
そして気がつく、イザヨイの里がごうごうと音を立て、炎を空へと伸ばして燃えていることに。
「星ちゃん、どうしてここに?」
住人の中からボロボロになった夜空姉さんが出てくる。
「そんなことより何があったの?!」
「実は……祠が壊されて大量の鬼が里へと侵入してきてしまったの、」
何故そんなことに? 混乱していると、縄で縛られた男が大きな声を上げる。確か、行商人の男だ。
「仕方なかったんだ! 鬼に家族を人質に取られ、祠を壊せと命じられたんだ! でないと妻や娘が……ううっ」
鬼の知性を完全に見くびっていた。それじゃあぼくの故郷ももしかして……いや、そんなことよりも今はこの状況を打破しないとっ!!
センパイの他にも10名程の討鬼師達が残っており、養成所の皆も戦っているはずだ。
「ぼくも戦わないと!!」
燃え盛る里の中へと突っ込む。ぼくは守る、今度こそ何も失いたくないんだっ!!
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