いつかは隣で…

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いつかは隣で…

 里のあちこちに鬼の死骸と人間の死体が落ちている。  向かってくる鬼共を切り捨てながら広場まで向かうと、多くの討鬼師達が倒れて事切れていた。その中に血塗れの月音センパイの姿を見つけて駆け寄る。 「センパイ、月音センパイ!」  助け起こして声をかけると、センパイは薄目を開く。 「……星。最後に、来てくれたのね、嬉しいわ、」  途切れ途切れに言葉を紡ぐセンパイの口から赤い血が流れる。 「わたしね……優しい星に憧れていたの、だってわたしは……自分の為だけに戦っていたから、」 「センパイ、喋らないで!」 「わたしは、早く家族の元へ逝きたかった……1匹でも多くの鬼共を道ずれにして……。でも、人の為に戦える星に出会って……わたしも誰かの為に戦えるかもしれないって思っていたのに……」 「……センパイ、センパイ、」 「誇らしい自分になって、いつかは星の隣で──ああ、星。大好きよ、でも……さようなら」  センパイは笑って、そうして動かなくなってしまった。 「いや、センパイ……ぼくを置いて遠くへ逝かないで……。そんなに遠くへいかれたら、追いかけても追いかけても追いつけないよ!! うわぁあぁあぁあ!!」  わんわんと泣きじゃくっていると、炎と煙の向こうから手下を引き連れた巨大鬼がのしのしとやって来る。  こいつだ、こいつがセンパイや皆を殺したんだ。 「絶対に許さないぞ! 一度ならず二度までもぼくの大切なものを奪った悪鬼共め!!」  双刀を構え、ぼくは鬼共に斬りかかって行く。
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