語彙力があるように見せかけよう

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語彙力があるように見せかけよう

 ここでは、語彙力を増やす方法……ではなく、語彙力があるように見せかける方法を述べます。  なので、読書して語彙力を付けろ! というのは、絶対に言いません。  私はこのアカウントで小説も掲載しているのですが(バッドエンド耐性あれば是非読んでください)、感想で語彙力をお褒めいただくことがありました。  しかし私はさほど読書家というわけではなく、口を開けば「ヤバい」「尊い」「無理」くらいしか出てこない、語彙力の無いオタクです。  では何故、そんなオタクが、文章では語彙力があるように見えるのか。  さほど目新しいことは言えないかもしれませんが、少しでも誰のお役に立てれば……と思い、セルフ分析してみます。  小説だけでなく、レポートや論文でも使える技なので、良ければ活用してください。      まず心がけていることは、「一度使った言葉は暫く出さない」ということです。  同じ表現を連発しないだけでも、語彙力があるように見えます。    例を一から考えるのが面倒なので、拙作から引用します。宣伝じゃないですよ! ○ 「私は一生、誰とも心を通わせることはできないのかな……」  俯いたまま深夜美は言う。  そんなことはない、と絞り出すので艶子は精一杯であった。  それを気にすることもなく、深夜美は続ける。 「私が死んだら、母の隣に葬ってくれって……荒津様に頼んでよ」 ○  以上、よくある会話劇です。  しかし、ここで小技が炸裂してます。    会話劇なので、登場人物の動作は全て「言う」と表現出来ます。  しかし、「言う」は序盤の「俯いたまま深夜美は言う」という一文で使ってしまいました。  ここで、容赦無く「言う」を連発し続けると、以下のような文章になります。   ○ 「私は一生、誰とも心を通わせることはできないのかな……」  俯いたまま深夜美は言う。  そんなことはない、と言うので艶子は精一杯であった。  それを気にすることもなく、深夜美は言う。 「私が死んだら、母の隣に葬ってくれって……荒津様に頼んでよ」 ○  おそらく大半の人は、「言う」連発バージョンの方が、下手くそな文章だな……と感じると思います。  原文では、発言を意味する動詞が、「言う」「絞り出す」「続ける」の三パターンあります。  「言う」の連発を避けるために、表現を変えているのです。  これだけでもかなり語彙力があるように、また文章が上手いように見せかけることが出来ます。  今時、「○○ 類語」と調べてネットの類語辞典を使うだけでも案外近い言葉は見つかります。  なので、そんなに難しい作業でもないです。  ちょっと長くなったので、②に続きます。
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