護衛のイケメン~一日目~

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護衛のイケメン~一日目~

 取りあえずその日は受け入れの準備もあるとかで田神さん達は帰って行った。  愛良一人ならこのまま連れて行っても良かったんだ。と言った赤井は、帰り際私に吐き捨てた。 「お前がいなけりゃ楽だったのに」  はん! 楽じゃなくて結構!  誘拐まがいなことする男に愛良を渡せますか!  何故か私も城山学園に行くことになってしまって呆然としたけれど、愛良一人を行かせることにならなくて済んだんだから良しとしよう。  ……それにしても、次の土曜には城山学園の寮に入って、月曜には転入するとかどれだけ急なの?  時期も中途半端でおかしいと思ったけれど、何その性急さ! あり得ないでしょ⁉  手続きとかどうなってるんだろう?  てか、今の学校の転出手続きはどうするの?  こっちでやるの?  リビングのソファーに座ったまま、私は頭の中で文句やら疑問やらを延々と考えていた。 「お姉ちゃん、取りあえず着替えて来よう?」  そう言って肩を叩かれハッとする。  もう客は帰ったのだし、お母さんは夕飯の準備を始めている。  疑問や不安は沢山あるけれど、いつまでも座っていても仕方がない。  大体私達はまだ制服のままだ。 「そうだね。引っ越しの荷物も早めに取り掛かった方が良さそうだし」  苦笑気味に言って、私達はそれぞれの部屋に戻った。  今日は火曜日なので三日くらいしか準備出来る時間がない。  着替えは確実にいるとして、あとは何が必要なのか……。  田神さん、必要なものリストとか作って持ってきてくれれば良かったのに。  仕方がないので、愛良と相談しながら「夕飯出来たわよー」というお母さんの呼びかけがあるまで荷造りをしていた。
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