第二話

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花火大会当日は、夜の食事はなし、仕事も五時で強制終了。 そしてみんなには手伝いをしてもらう。私は三時には会社を出てこっちで準備。 集会場は、バーべーQの食材の受け渡しと、生ビール、お酒の販売所になっている、これなら飲みすぎるという事はあまりないし片付けもごみだけで楽だしね、お寿司屋さんは社長が頼んだ、すごいよ、そこで握ってくれるんだもん。 エントランスを抜け中庭に行くと、ものすごい機械音が聞こえ始めた。結構人も多い。 「すげー、縁日みたい」 「これは?」 部長のつてで、的屋さんが集まりました。 「すげー本格的!」 「亜矢ー」 「亜矢ちゃーン」 手を振ってくる浴衣姿の二人。 「ノンちゃーン、えっちゃーン、紹介します」 「いいよ、お噂はかねがね、親友の悦子です」 「のりこです」 「僕も聞いています、井上忠典です、よろしくな」 二人に挟まれ、体をこすりつけられ、手を叩かれる。 なによー! 「いい男じゃない」 「年上だけど若いよねー」 そうかなー? 「私たちココの準備があるんだ、先に上に行ってて」 「男あさってきまーす」 「いい人がいたらゲットしなきゃ」 「がんばれー」 いい子たちそうだな。 へへへ自慢の親友なのだ。 そうか、と頭を撫でてくれた。 「それではお願いします」 「子供さんからは目を離さないようにお願いします」 「終わりましたら、一列になって階段を下りてください」 「何か起きますと来年できなくなります、成功させるために、皆さんのご協力をお願いします」 社員や、マンションの方が率先して警備をしてくれる、ありがたいよな。 「よし、行こう」 「いいんですか?」 「うん、終わったらゆっくり降りてきてね」 「はい、楽しみ―」 上に上がると、みんなが見る方向に花火が上がった。 わーという歓声が上がった。 八時から五十分間、一時間もかからないで終わる花火大会はその後、会社のみんなで屋上の清掃をして返す 「よかったね天気で」 地上から上る一筋の光、建物の間から大輪の花を咲かせた花火を社長の隣に並んで見ていた。 「ヨッ」 「よっ」 社員の家族、恋人たちなんかも多く来ていた。課長たち家族も来ていて、課長は奥さんと二人で見ている、ラブラブだ、息子さんたちは典君と、大学生たちなんかと一緒にいる。これが終わったら一階の集会場と中庭で、食事、楽しみだと言っていた。
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