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初めて会社を休んだ、有給休暇というが、ちゃんとそのぶんパートさんに頼んできた。
(゚д゚)!ふわー!
なんじゃこりゃ!
思わず、写メとりまくりの亜矢。
大学なんてはじめてきたし、ましてや、図書館なんて、絶対入んないし!
「これ全てですか?」
「はい、先生の蔵書の一部です」
い、一部?!(**!!)ウソ!
こちらへと案内された小さな部屋には、ビニル紐がまかれ、積み重なっている本が騒然と積まれていた。引っ越した際にすべて持ってきたものだというが、亜矢は懐かしそうにそれを見ていた。
「どうぞこちらへ、これが先生からお預かりしていた物です」
「これ?」
「箱?」
「これは、有名なからくり箱ですね、ほら、ここ動きますよね、これを繰り返すとどこかが開くんです」
「わかりますか?」
いやー?
ゆっくりやられてはいかがですか?
「おじいちゃんのところにいく?」
「いく・・・しかねえよな」
中にはなにかが入っていることは確かだ、から、から音がする。
貸金庫の中には、書類と手紙、あとはデーター。それを手に、廻っているところだ。
「確かに受け取りました、そうですか・・・奥様が寝たきりに」
「はい、でも祖父はまだ元気です、ぜひ会いに行ってください」
「ええ、研究はもうほとんどできています、先生の名前も付ける予定になっていますからね、前の大学で、完成させたかったでしょうね、悔しいだろうなー」
「先生は初心に帰ることができてよかったとおしゃっていられました、どうか、病に苦しむ人のためにお使いくださいと」
「ええ、そうします、亜矢ちゃん」
「はい」
「先生の事恨まないでやってくれるかな、確かに、君にはあまりいい人ではなかったと思う、でもね、君が小さい時は、時間ができればあちこちに遊びに連れて行ってたんだ、これ、先生家にもっていかないで、研究室でばっかり見てたんだ」
それはアルバムだった。
中を開くと、私の小さな時の写真。
涙が一気にあふれ出した。
「ありがとうございます」
「ありがとう、先生のところに行ってくるよ」
てっとり早く、大学の後輩教授の所へ行き、この箱をもらった。
「次は?」
「これは?」
「あれ?前住んでたところの住所、ん?番地…あれ?隣?」
叔父ちゃん家だ。
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