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第四章 イケボイ♡ハニー萌えていいですか? 第一話
二十五日になってしまっていた。
空には朝日が昇りはじめていた。
彼の部屋に帰るとバッグにセーターやベストが置いてあった。
あーあ、残念。
財布をのぞいた、中は空っぽ、捨てられたー。
無いものはないかと、荷物の確認をした、なければ警察に言わなければいけない、でもこんなの言えないしな。
お金のことは言った。高々五千円だが、大事なお金。
「カギ何処にあった?」
「靴の中」
「よかった~、とっさに、この部屋と、会社の鍵がついてると思ったら蹴飛ばしていたんだ」
「病院に行きましょう」
「大したことありませんから」
「診断書出してもらうんです、足、怪我してるでしょ」
ハハハ・・・。
「何やらかした?」
「二階から飛び降りた、先生、彼、平気かな、下敷きになってくれたんだ」
「あいつは大丈夫です」
もう一人の人が大変だったらしいとしか教えてくれなかった、まあいいか。
そのまま病院に行き、手当をしていただき、診断書や何やら書いてもらい、シップやなんやかんやいただいて帰ってきました。
みんなは疲れていてあちこちで眠ってしまった。
起きたらおいしいものごちそうしなくちゃ。
冷蔵庫を開けた。
「なんで?」
箱にぶつかった後のあるクリスマスケーキが入っていた。
引換券、どんな顔でもっていってくれたのかな?
寝ている彼に、チュッ、ありがとう。
興奮と何か胸からこみ上げるものがあって私は眠れないでいた。涙はわからないように流した、終わり、もう…。
二日休んでしまった、今日出れば、一月五日までお休みだ。頑張って出ないと。
彼は一日だけそばにいてくれた、すべての事は戸田先生に任せ、何も考えなくていいからと、ただ抱き合って、一緒にいた。
神様、やっぱり私は家族とは遠藤いのでしょうか?
おなかにそっと手を当てていた。
「ありがとう、大変だったでしょ」
「でも何とかやり切りました、足、痛そう」
「へへへ、今日で今年最後です、頑張りましょう」
「はい」
東雲課長と部長意外にあの事件の事は知らされていない、みんなには、ねん挫したとだけ言ってある。
綺麗に洗って消毒した、義手をつけた。
よいお年をと言って帰る人達は近所の会社の人達。
ヘタな食堂よりおいしいと言われ、有頂天になっていたのかな。
今年最後の食堂の昼はおそばです。
「亜矢ちゃん」
「課長―、おせわかけました」
大きく手を広げ彼の胸の中に飛び込んだ。
「よかった、もう安心だね」
「はいー」
「いいなー課長」
「何で亜矢ちゃん課長にばっかり抱き着くんだ?」
「だって、お父さんみたいで安心できるんだもん」
「まあ、娘みたいなもんではあるが複雑だな」
「離れろ!」
「ほら来た」
「社長やきもち!」
「うるせー、さっさと片付けろ、仕事残しても尻拭いなんかしねーからなあ!」
「ヒエー、ごちそう様」
「夜も楽しみにしてまーす」
「夜はねえって言ってんだろ」
「まあ、怒らないで、はい、お待ち同様」
「それでも、最後の打ち上げですからね、若いのは楽しみにしてますよ」
「まあな、亜矢、ぜって-無理するなよ」
「わかってます、過保護なんだから」
その夜は、食堂を開け放っての打ち上げ。
お酒と、愛ちゃんに作ってもらった、大量のおでん。お肉屋さんからは自慢のお惣菜が続々と届きました。それと今年は手抜きでお寿司屋さんからお寿司が届きます。
食堂はクローズするため、紙コップや紙皿、プラカップなんかで代用。もう洗い物は最小限なのだ。
「それでは、今年もみんなお疲れ様、来年は二部上昇するぞ!」
「おー!」
「かんぱーい!」「かんぱーい!」
「お疲れ様」
「よいお年を」
みんなが帰って行った、食堂を閉め、社に残っている人がいないのを確かめカギを閉めた。
「終わったよ」
「おう、こっちも終わりだ」
二人で歩いて帰った。
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