第三話

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山梨のホテルでの並びを思い出してほしい。一番中央にいた六人。中央は、北条家のトップ、忠典さんが大叔父と呼んでいた人で、最高権力者。彼の祖父、井上さんの弟ね。右側はその妻とそちらの関係。あまり関係ないから置いとくね。 左側の父親北条義典とその妻昭子、その並びに座っていたのが正義、忠典さんの戸籍上の父親。あのねじネジ叔父さん正男と久子、その前には子供たちわたしにいやみをいったやつ伸男ね、その子供たちと続く。 井上家は北条と肩を並べるほどの力があった、そこに勤めていた北山さん家族、その娘の長女智子さんが亡くなった母親。 おじい様は体が不自由で、先のことをいろいろ相談していたそうなの。家督を継げない、継いだとしても短い命なら、息子に託そうと思ったわけ。それを狙ったのが大叔父の弟、言いくるめ、まんまと自分が北条の後釜に収まった。 でね、義典は、子供ができたら結婚させませんかと彼に話していたそうなんだ。 だけど、昭子に男の子ができなかった。そこで養子をとる。 これが正義、一応彼も北条の親戚からもらわれたことになっているが、ほとんどが口を割らないそうだ。まあ、彼の素性は後でわかるんだけれどもね。 そして正義と北山智子さんは結婚するんだけど、そこで井上が出てくる。 そう北山ではなく、井上の養女として結婚することになったの。 なんだかさー、苗字とかお家柄とかそんなに大事なのかねーとその時は思ったけど、考えてみれば、その後、こうしていろんな事で解決できるのも親戚かーと思うとなんだか納得してしまった。 亡くなってしまった母親、その時の子供さんが長男和典さんと忠典さん。でも、その死に疑問を抱いたおじい様はそれを調べた。 自殺に見せかけた殺人? 二人の子は、DNAから正義の父親義典の子供だという事が判明したの。
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