思い出の場所……

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思い出の場所……

 私は、仕事へ向かうため、慌ててベットから起き上がり、準備を始めた。7時半には、家を出ないと会社に遅刻してしまうので、朝食は簡単に済ませて、メイクをする。    私は、大学を卒業してから、結婚式場で、ウェディングプランナーとして働いている。  実家の近くに、ステンドグラスが綺麗な結婚式場のチャペルがあり、幼い頃から、結婚式を目にする機会が多かった私は、あの幸福感に包まれた空間が大好きだった。    結婚式を幾度となく眺めながら、漠然とあの多幸感を作り出す側になりたい、結婚式に携わる仕事に就きたいと思っていた。   大学を卒業に控えて、就職活動する時には、自然の流れで、ウェンディングプランナーの道へと進んだ。  幸運なことに、第一志望の全国を規模に結婚式場を展開している今の会社「モンレーヴ」に、入社することができ、早五年の月日が流れている。  仕事は、幼い頃から夢見ていた職業なので、やりがいがあり、毎日充実している。もちろん、辛いことがないと言えば嘘になるが、やはり、結婚式というあの特別な空間に立ち会うと、一瞬にして忘れてしまう。  自分で言うのも変なのかもしれないが、私にはこのウェディングプランナーという仕事が、天職だと信じている。それくらい毎日楽しく仕事をしている。  ただ、自分でもよく分からないのが、いくら幼い頃にチャペルが近所にあり、結婚式をよく目にしていたからとは言え、何故、自分がここまで結婚式に対して、特別な感情を抱いているのかは、よくわからない。私自身が、その答えを知りたくて、この仕事を選んだのかもしれない。  
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