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「え?私がですか?」
「ああ、雰囲気が似てる」
“お前によく似た人を知っている”
そう一男さんの口から放たれた。
「こんなに可愛い女の子とお知り合いだったんですか?大丈夫ですか?妄想と現実が混ざってませんか?」
「うるせえな」
この世には自分とそっくりな人間が3人存在するという。だから一男さんの話は特別珍しいわけではない。だけど詳しく話を聞けば聞くほどそれはとある仮説を生み出した。
「…その女の子のお名前ってわかります?」
「ああ。確か────」
仮説は確証へと変わった。
一男さん。その女の子のこと、私もよく知ってます。だってその子は私にとってかけがえのない存在だから。同じ時間を共に過ごした私の─────。
「一男さん♡」
「あ?」
「その子のこと忘れないでくださいね」
「…?ああ、まあ忘れねえけど」
「ありがとうございます♡それでは早速ですが…死んでください♡」
「話の脈絡なさすぎだろうが!!」
ねえ、直接伝えることはできないけどお願いがあるの。…これは私のわがまま。
いつか貴方も死を迎えるその時、思い出してほしいの。その女の子のことを。それで一緒にその時を迎えよう。
貴方の最期を共にさせて。
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