必然の物語

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「ああ、今日の和樹くんも最高だなぁ」 今日の写真をプリントアウトしてファイリングする。 コルクボードに貼られた彼の昔。 写真立ての中に入れられた彼の姿。 そして、手元の私だけの和樹くん。 それらを見てとても嬉しく感じてる。 「一生一緒にいてくれるって言ってくれた…」 それなら、こんな私の姿を見ても許してくれる、よね…? 私みたいな平凡で普通の愛を抱けない人間でも許してくれる、よね…? 和樹くんは昔から平凡じゃない、みんなと違う私でも許してくれたから…。 私のこと受け止めてくれる、よね…? 涙がポタポタ溢れてくる。 神様、どうか、私が操ってきた物語を叶えてください。 私みたいな異端者をどうか幸せにしてください。 私が彼のことをこんなにも深く愛し崇めていること、 わかっているなら私を、 私の未来を、 私の世界を、 私という存在を、 幸せにしてくれませんか…。
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