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俺はどこにでもいる平凡な人間、富田和樹だ。
友達と遊び疲れていつのまにかアパートに帰ってるのがいつものこと。
だからだろうか。
俺は今、絶賛就活しなければいけないのにもかかわらず、サボっている。
「どうでもいい…」
そんな言葉が口から溢れる。
今まで遊んでいたのが夢のようで、
友達は全員スーツをびっしり着るようになった。
そんな変化についていけない自分がいる。
ポテチを貪り食いながらそう思った。
「なんで人生ってこうなの?」
中高の時もまともに人生については考えず、
大学の時も目をそらしてきた。
そのツケがここに回ってきたような気がする。
「誰かなんとかしてくれよー!」
そう思っても俺の体は動かない。
トドみたいだ。
いや、いっそ水族館のトドになりたい。
飯も寝床も人に世話してもらえんだぜ。
ラクじゃん。
そう思ったら、自分の程度の低さに驚いた。
いつのまにか自分はこんな堕落していたのだろう。
眠気まなこをゴシゴシ擦って、起き上がる。
こんなことしてる場合じゃないよな。
とりあえず、スーツと履歴書用意しないと。
「あー、父さん?」
久しぶりに親に電話をかける。
特に父さんなんかは絶対かけない。
ぜーったいに。
「うん。俺。スーツ欲しくてさ。貸してくれる?えっ、買ってくれんの⁉︎ありがとう!」
後日、スーツを買って、履歴書も書いた俺は面接に行った。
あたふたしながらも自分なりには上出来だと思う。
「お願いします…!」
神様仏様、どうか俺を導いてください…!
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