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君の肩甲骨が好きだ。
撮りたいんだ。
逆光が浮かび上がらせる黒いシルエット。
ガラスに映る躍動する身体。
僕は夢中になって寝そべって撮った。
君の口が開いて、思いの外激しい息づかいと共に、言葉が放たれる。
「どこが真ん中かは分からないときは」
跳躍と回転。
「三神さんのいる方向が、俺にとって、真ん中で、前です」
最後は君の几帳面な性格が出るんだ。
君はさっきの小王子に教えてあげたのと同じように、僕の目の前にひざまずいた。
柏田くん、知ってる?
これでさ、僕は完全に君に堕ちる。
《 プリンス・シンドローム 完 》
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