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「ここからは最後の質問と言うか、美緒が態度変わった原因ですけど、まずは陽貴さんのこと改めて聞いてみたんですね、今どう思っているか。そうしたら、無駄に手出して失敗だった、とか黒歴史、とか言うんです。酷くないですか?
だから、ちょっと本腰入れて説教しました。美緒が素直に親の決めた相手と婚約していれば、優希乃さんは陽貴さんと別れることもなかったし、陽貴さんは亡くならずに済んだんじゃないのかって。美緒のせいであの2人は不幸になったんじゃないの? とまでいったら、ようやく反省の顔を見せました」
せ、説教? 同期で仲が良いからこそできるのかもしれないけど、社長の娘でもある棚橋さんにそこまでするなんて。少し心配にもなってしまう。
「そこまでしてくれるのはありがたいけど、棚橋さんとの関係が悪くなったりしてない? 同期は大事にしてほしいし、会社での佐知の立場とかも心配だよ」
……なんて、すっかり同期から縁を切られたも同然の私が言えたことかって感じだけど。
私の心配をよそに佐知は笑って答えた。
「今だに仲良くやってるんで大丈夫です。今回頑張ってくれたらお礼にご飯奢ることにしてますし。あと、これは優希乃さんのためだけじゃなく、私の気持ちが収まらなかったのもあるんです。私にとって陽貴さんは昔から憧れてた人ですから。
ということで、反省を態度で示してもらおうと思って、今日来てもらったんです。叔母さんと愛理ちゃんを説得して欲しいって。まあ、元はと言えば美緒がこじらせた関係ですから、美緒が言えば納得してもらえると思ったんです。思った通り、うまく行ってよかったです」
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