ある少女の独白と告白

ある少女の独白

皆が私を見てくれている。

こんなに注目された事は今まであっただろうか。

小学校の運動会？

幼稚園のお遊戯会？

入学式とか卒業式とか他にも機会はあったかもしれないけど、それは皆に等しく与えられた機会であって、誰も私だけを見ていたわけじゃなかった。

むしろもっと格好いい子とか可愛い子が見られるためのものだから、私みたいな脇役のことなんて誰も見てなかったと思うし。

まあ生まれた時はパパやママ、病院の人たちの視線を一身に浴びたかもしれないけど、生まれた時の記憶なんて残ってないから、それはノーカンね。

それにもし記憶が残っていたとしても、今私の目の前にいる人数からは比べ物にならない程度でしょ。

それが今、学校中の人が私を見てくれているから気分が高揚する。

これって激励会みたいなものなのかな？

集会でもよくやってるよね。

サッカー部が全国大会出場決定したので皆で応援しましょう、みたいなやつ。

キラキラした人たちが僕たちの事を応援してくださいとか言って、キラキラした人たちが大きな声をあげて頑張れーとか言いながら拍手してるの。

私には縁の無いことだと思ってたよ。

だけどきっと今は皆が私を応援してくれていると思うから、私頑張るね。

私、ちゃんと言われた通りに頑張るから最後まで見ていてね。