DIY、組み立て?

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DIY、組み立て?

 すぐに予想外の第三だか第四だかわからない審査がくるとは思わなかった。  小夜子ちゃんはDIYの『計画』が得意らしいが、DIY自体が得意とは言っていない。それも本人の口からではなく大家さん曰く、である。  そもそもDIY(ディーアイワイ)とは英語の「Do It Yourself(ドゥ イット ユアセルフ)」の略で、直訳すると「自分自身でやる」。プロではない人が自分の力で小物や家具を作ったり、壁紙や床の修繕・張り替えを行ったりする等を言うらしい。となると、この場合ちょっと違う気がする。  昨夜の事は全て疲れとビールの悪酔いから来る夢に違いない。そう思った。  思ったのだが。  朝起きると(ほぼ昼に近い時間だったが)小夜子ちゃんが真っ黒なパジャマ姿で現れた。顔はマスクと帽子とサングラス。  あ、やっぱり夜のは夢に違いない。そう思って私がおはようございますと挨拶しようと「おは」のところまで声が出たところで、小夜子ちゃんは足を滑らせて、思いっきり派手に二階から一階までの階段を転げ落ちたのだ。  派手な階段落ちをした一階の床には、バラバラになった骨が散乱していた。  「あららー。久しぶりにやっちまったかー。」  「DIYの時間ね。」  今なんつった?  バラバラになってもガイコツの頭は元気に喋った。  「ちょっとぉ。そこのあーた。ボーっと見てないで手伝ってくれますー?」  えっ?私?    一時間後。  私と大家さんはバラバラになった骨を元通りにつなぎ合わせるべく、悪戦苦闘で汗を流した。  「あれ?一本余った。これ、どこの骨?」  私が言うと、骨つなぎがちぐはぐに出来上がった(?)小夜子ちゃんが文句を言う。  「だから言ったじゃーん。違うってー。」  「んー?不思議だなぁ」  大家さんが首をかしげる。  いや、そもそも不思議なの誰だよ。
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