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雑談もせず校舎から歩いていくと教室から15分もかからないうちに寮に着いた。…寮と言うには些か豪華すぎるような気がしなくもない。いや、些か所で済むわけが無い、沖縄とかにあるデカいホテルじゃないのかなこれ
「…先生、これって何階建てなんですか?」
「おお、だいたい12階建てだな〜、でっけぇだろ!」
「そんなに寮必要なの??要らなくない?」
「えぇ、そんなこと俺に言われてもな…?」
先程までの不調が嘘のように、15分の間でケロッとしている豊久に軽くデコピンをするとへへっと憎めない笑いが帰ってくる。全く…
「説明を俺からすると…最上階から10階までが教師、9階から8階までが3年、7階から3階までが1年2年やら諸々だな」
桜日先生は、分かりやすく階を指をさしながら説明してくれる。
「3階まで?それより下はなんなんですか?」
「あー、コンビニとか?スーパーもあるぞ、1階には食堂だな〜まぁ日用品売ってたりいろいろだ。」
「一二年生だけなんで多いんですか?」
「近衛おまえ、知りたがりだな…あー、正式には7から6階までが2年、5~4階が1年なんだが今の2年が例年より多くてな、1部の生徒は2年と1年が同室だったりするからまとめてしまってるんだ。」
「ほぉ、桜日先生って寮に詳しいんですね。」
「俺は元々こっちの担当だったからなぁ〜」
「あれ、じゃあ3階は?」
「3階は空き部屋が多いが、トラブルがあった時の予備部屋だったり色々事情がある生徒が使ってたりするな。」
「そこまで覚えてるの、すご…」
「だろ、俺は有能だから!!」
「それはそうだけど、僕の仕事も残して欲しいなぁ、マサくん?」
唐突に話しかけられて、3人揃って声を上げてしまう。何事?!
「ゲッ!高良!!」
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