思い出した

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この少しの楽しみを胸に毎日を過ごす。 今日も、いつもと同じ時間が流れてていく。 いつもと同じように起きて、食べて、仕事に行き、帰ってきて、いつもと同じようにテレビをつける。 いつもと同じアナウンサーがニュースを伝えていく。 いつもと同じように… 「次のニュースです。今日、昼の2時頃、〇〇県××市で殺傷事件がありました。犯人は道を歩いている人を次々に襲い1名死亡、3名重症、1名が軽症とのことです。なお犯人は警察が駆けつけると自ら持っていた包丁で自分の胸を刺し、搬送された病院で死亡が確認されました。」 そのときに犯人の顔写真が映像に写し出された。 「………えっ…。」 その写真をみて、自分の胸がバクバクしていることに気づいた。 『ショッピングモールの会場にいて、かわいい人だって思っていた女性だ。』 そこでみたときには、こんな事件を起こすような人には見えなかった。むしろ、毎日楽しく過ごしている人に見えた。 人にはわからない、隠れた闇の部分があったのか?と思いながらテレビに近づいてもう一度よく顔を見た。 「やっぱり間違いない。」 直接関わりがあった訳ではないが、やはり立て続けにあの会場にいた人たちに何か起こっている。 単なる偶然…? 共通の部分があるだけに他人事とは思えなかった。 同じ会場にいた相手同士が話すことはセーフだよね。 私はもう自分の胸だけにしまっておくことはできなかった。 明日は友だちと映画に行く約束の日。 そこで気になることを話ししてみよう。
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