友だち回想

4/5
前へ
/27ページ
次へ
その日、寝る頃から体の異変を感じた。 ついさっきまで、何ともなかったのに急に体がダルくなってきた。 『心の動揺が体に現れた?』 『そんなにすぐに⁇』 ベッドに横になると体が地面に引っ付いたかのような感覚になった。 『これは…医者が言っていたことは本当!?』 自然に弱っていく…。 『自分に残された時間は後少しかもしれない!!』 そんなことを考えていたら喉も痛くなってきた。声が出にくい…。 私は居ても立っても居られない気分になった。 私にできることは? 私にしかできないことは? すぐに思い浮かんだのは友だちの幸せになるかもしれない未来への選択肢を残すこと。 フフフッ… 思わず笑ってしまった。もっと、自分に対してやってあげられることを見つけてもいいのに。 両親を亡くし、一人っ子の私だからかな…。 でも、段々と弱くなっていく体に何かをやってあげたいという気持ちにはなれなかった。 病気になって、健康のありがたみが身に沁みてわかるっていうけど本当だ。体の不調って人の気持ちまでもこんなに後ろ向きにしちゃうんだ。 大げさだけど、死という文字が頭から消えない。 死ぬときって…自分の気持ちが充実しているって大切だと思う。それと、生きた証を残したい。最後くらい、人の為になることをして。 それで私は体調が本当に悪くなる前に手紙を書くことにした。書き始めると少し体が軽くなってやっぱり、気のせいかもしれないと感じた。 『もし、これで本当に少し体調を崩してただけでした。ってだけなら笑い話にもなるしね。』 このまま、ドッキリでした!!でいきたい。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加