友だち回想

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あれから、微熱と声が出にくい症状は残したまま、体調がいいと感じる日が続き、喉の風邪なだけかと感じでいた。 あと、2日で映画を観に行く日。 声は出なくても手紙を渡そうと考えていた。 でも、前日になってまた突然体が重くなり、食欲もなくなってきた。 一度は消えかかった不安が再びやってきた。 『あと、3日経ったら1週間…』 出かけるのは難しそうだと判断して、早めに家に来てもらうことにした。 〝わかった。明日、映画に行く予定だった10時に行く“ 深くは追求されずに来てくれることで安堵した。 明日の準備として、話せない気がするから最低限必要な文を手紙を入れた封筒に書いた。 当日は、さらに体調が悪くなっていた。 でも、心配はかけたくないので時間が近くなったら玄関で待ち、自分ができる精一杯の明るさで対応した。 手紙を渡すと、心配そうな顔で色々言いたそうな様子だったが無言でうなづき 「わかった。しっかり休んで早く元気になってね。」とだけ言って帰って行った。 私はドアが閉まると一気に力が抜けてその場に倒れ込んだ。 手紙にしたのは、国相手だから、内容からメールだとすぐに危険が及ぶ可能性を考慮してだった。 ただ、手紙は半信半疑の中、書いたもので言葉足らずなところもあると思う。 『あの時に話を聞いてから、どうなるか楽しみだったのにな…。素敵な今後を見守りたかった。』 本当に伝えたかったのはそのこと… これなら送っても大丈夫だよね…意識が朦朧としながら最後、携帯を持ち指を動かす。 〝幸せになってね” 少しづつって本当に自分でも油断しちゃうくらいの体調からくるんだもんな… 世の中、気づかないうちに追い込まれて後がなくなってることって本当は多いのかも。 私はそんなことを考えながら目を閉じた。
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