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「え……うん、あ、そっか、そうだったね……確かに聴いた、けど。儀式ってでも、さっきのお母さんがやってたヤツとは違うの?…………証明?って、え?どうするの?」
「……………」
大きな蜘蛛の身体から、にゅるりとヒト型の首を出して、亜蓮は灯里を見つめた。
照れる程まっすぐに向かってきたその瞳に、灯里が困惑の笑みを浮かべると、亜蓮は柔らかく破顔した。
「では、最後の……契りの儀式を始めましょう」
「……えっ」
背中に回された蜘蛛の腕が、灯里の身体をふわりと持ち上げた。
亜蓮のヒト型の顔に近づくと、唇同士が磁石みたいに引き合って無言のうちに触れ合う。
亜蓮の硬質な薄い唇が、艶のある柔らかな灯里の唇をこれ以上なく優しくついばむ。
舐めるように内側に舌先を入れられたら、一気に身体が火照って、手足に力が入らなくなった。
「ん……っ!え、待って。亜蓮く……」
「待ちません。もう……どれだけ待ったことか」
薄い白の肌襦袢の襟ぐり部分に亜蓮の額が触れたと思った瞬間に、背中側のブラのホックが蜘蛛の脚によって外された。
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