§1 新婚初夜

1/1
前へ
/29ページ
次へ

§1 新婚初夜

 夫の堀陽之介は中学の時の初恋の相手で、成人式で再会してから7年後に結婚した。司法試験に現役で合格した陽君は1年間の司法修習生の後、検察官として任官されて島根に赴任した。その後、静岡に転任が決まった所で、結婚を前提に交際を申し込まれた。わたしが26歳の時で、将来も有望で結婚相手には申し分なく二つ返事で申し出を受けた。陽君が交際中に身体を求めてくる事はなく、1年後の結婚初夜までキスより先に進む事はなかった。わたしを大切にしてくれているのだと思っていたが、実はそれだけではなかった。  結婚披露宴が終わってホテルの部屋で二人だけになり、先にシャワーを浴びてベッドで彼を待った。ようやく結ばれる喜びと興奮で、わたしの気持ちは落ち着かなかった。 「ぼく、女の人と共寝したことがなくて、君もそうだと思うけど、初めて同士で緊張するな!」  ベッドに入って来ながら言った彼の一言に、わたしは返す言葉がなかった。もしかしたらと思ってはいたが、まさかの童貞、しかもわたしが処女だと思い込んでいてびっくりした。わたしは高3で処女を卒業し、それから二人と男性経験があったが、決して多い方だとは思っていなかった。陽君は勉強一筋の大学生活を送っていたようで、女性経験に乏しい事は交際中に何となく察していた。 「でも大丈夫!本を読んで勉強したから。最初は少し痛いみたいだけど、やさしくするから!」 「うん!陽君のことを信じてるから、すべてを任せるわ」  わたしはこの時、処女の振りを通す事に腹を固めていた。  バスローブの紐が解かれて裸体が露わになると、彼はしばしわたしの身体に目を凝らしていた。 「恥ずかしいから、そんなに見ないで!灯りを消してほしい」 「そうだね!女性の裸を見るのも初めてで、つい見入ってしまった。きれいだな!」  誉めてくれたのはうれしかったが、この先大丈夫なのかと不安に駆られた。ライトを暗くしてから身体を重ねて来た彼は、やさしく念入りなキスでわたしの心を惹きつけ、わたしもそれに応えた。恐らく彼のファーストキスの相手はわたしであって、交際中のぎこちないキスに比べて随分上手くなっていた。  数分間のキスから解放され、次はマニュアル通りに胸への愛撫に移った。右手でわたしの左胸をもてあそび、唇と舌で右胸と乳首をまさぐり始めた。わたしが無意識に「うーん」と声を漏らすと、 「大丈夫?痛かった?」と思いやられ、そのやさしさに心が少し痛んだ。太股に彼の大きく硬くなった物を感じ、早く挿れてほしいと身体が求めていた。胸への性的刺激は丁寧で、とても初めてだとは思えなかった。  わたしがとろけるような快感に浸っていると、彼の右手がいつの間にか股間に寄せられていた。 「ここが大陰唇、小陰唇。これが陰核か!」とぶつぶつ言いながら確かめていた。わたしのあそこからはぴちゃぴちゃと厭らしい音がしていて、いきそうになるのを必死で堪えていた。しかし、我慢し切れずに、 「ねえ陽君、早く入れて!」とわたしは口にしていて、処女を疑われてもどうでも良かった。  彼はあわてる事なく膣に向けて挿入を果たし、数分後にわたしの中に射精した。How-to本どおりの優等生のセックスで、わたしは久し振りのセックスに目を覚まされた。
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加