1.星は出会い、運命の輪は回りだす

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 この一連の異常気象は北斗七星が消えたことで生じたものなのか、はたまた北斗七星が消えたのもこの異常現象の一環に過ぎないのか──。未だに議論は続いている。  しかし因果関係はわからずとも、ハッキリすることは一つだけある。地球という星がアポカリプスを迎えつつあるということだ。  そしてこの度重なる異常現象はまだ終わっていない。  ──今から約一年前。本来北斗七星があるはずであろう、ぽっかりと穴の空いた夜空を中心に時期外れの大流星群が発生した。一体何座流星群なのか誰もわからない。再び全世界的に観測された不定期天体ショーに多くの宇宙開発・研究機関はまたまた大パニックに陥っていた。研究者や学者は泣いていいと思う。  たった一時間だけ開催された自然のサプライズショー。一時間に二十から三十個の流れ星なんて生易しいものではなかった。一時間に何百、何千と流れ星が降り注がれた。まるで水量MAXの流れ星シャワー。  俺でもわかる。これはおかしかった。  でも星列が消えるという一大ビッグイベントを経験した地球人からすればこのおかしい流星群なんてどうってことなかったらしい。なんとも無情な種族で、半年もすればこの異常すぎる流星群の事も忘れてしまっていた。
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