14 ロイツを狙う者たち

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 そのとき建物の扉が開き、センリとフリネを従えるようにヤヒメが入って来た。 「無事のようじゃな」  驚いた様子のロイツに、ヤヒメ――いや、縁狐(えんこ)ヨスガが薄く笑った。 「どうして?」 「お主に用があってな。ユキカに頼んで、占いでお主の居場所を探って、ここまで来た」 「ロイツくんを追ってた連中は?」  たずねたユキカに、ヨスガは少し難しそうな表情をする。 「慌てた様子で、街を出たようじゃ」 「いま、ですか? すでに閉門の刻限が過ぎてるのに?」 「うむ。連中のもとに、琴隼(きんじゅん)が飛んでくるのを見た。どこからか連絡が来て、それに従って動いているようじゃったな」 「連中はいったい?」  ヨスガはため息をついて、そばにあった椅子に腰をおろした。 「わからぬ。一年くらい連中の素性を調べてきたが、どこから来たのかすらわかっておらぬ」 「え?」  ロイツは驚いた。 「一年? そんな前からいたの? もしかして、ぼくを狙って?」  そうじゃ、と頷いて、ヨスガはセンリとフリネを見た。 「連中に気づいたのは、この二人じゃ」 「なんで教えてくれなかったの?」 「縁狐さまに伏せるよう言われたんだよ」  センリが苦笑交じりに答えて、ヨスガは頷いた。 「お主に危害を加える様子もなかったし、連中の正体を探るため、しばらく放置することにしたのじゃ。お主に伝えなかったのは、我らのことを悟られないようにするため。お主は、すぐ顔に出るからの」 「な、なるほど。めっちゃ心外だけど、納得だ」
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