14 ロイツを狙う者たち

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 ロイツは、ダウリオンが残した最後の〈地図〉の写しがリーメル評議会憲章にあること、それを調べるには理事会議員全員の承認が必要だということ、いま樹州で起きている異変のせいで承認を得るのが難しい状況にあることなどを、ヨスガたちに話した。  聞き終えたヨスガは、しばらく黙り込んだ。 「――ならば、忍び込めばいい」  やがてそう言ったヨスガにロイツたちは唖然として、少しの間、言葉が出なかった。 「忍び込むって、どこに?」 「そのリーメル評議会憲章とやらがあるところへじゃ」  ロイツはぽかんと口を開けたまま瞬く。 「む、無理だよ、そんなの。評議会憲章の原文は、すごく厳重に保管されてるんだ」 「無理なのか?」  と、ヨスガはユキカたちを振り向いた。三人は顔を見合わせると、誰ともなく苦笑する。やがて、ユキカはため息交じりに答えた。 「無理では、ないと思います」  ロイツは目を見開いた。 「マジで?」 「可能性があるってだけ。少し時間はかかるけど、いろいろ調べて、準備をして、ちゃんと計画を練れば」 「いや、でも、そんな勝手なことしたら、怒られちゃうよ」  ふっ、とヨスガが笑った。 「別に盗むわけでも、なにか手を加えるわけでもないのだから問題なかろう」  ロイツはユキカたちを見た。 「と、止めなくていいの?」  うーん、とユキカは苦笑した。 「ヨスガさまの酔狂で言ってるんなら、さすがに止めるけど、さっきも言ったように、これが霊獣の予感によるものなら、私たちは従うしかないんだよね。たとえ、悪事に加担することになっても……」 「そ、そこまで……」
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