終章『夜が晴れる』

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 十年後の未来(どこか)にて――。  「ただいま、実世奈――」  ヒトは独りでは生きていけない弱くて儚い生き物だ。  けれど同時に、強くて、真っ直ぐで、優しくて、"根っこは"温かい。  誰かに愛されたがっている。  誰かを愛したがっている――(かな)しい生き物。  だから、不完全な人間(私達)同士は互いに助け合い、身も心も全てを賭して愛し合う。  「おかえりなさい――」  たとえ、来年か数年後、もっと先の未来で――。  "私"は誰と隣で歩み、手を繋いでいるのか見えなくても。 ・
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