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昔々、遠い昔。京の都に住んでいた。
広い屋敷に住んで、そこで働く大勢の人に、私は姫と呼ばれていた。
あなたは、その中の一人に過ぎなかった。でも、そんなあなたに私は恋をした。
私の恋は実るはずもなく、お父様の選んだ男の人に嫁がなければならなかった。
その後の私は、あなたに会えないまま生きて、あなたを思ったまま死んだ。
『あなたのそばに、生まれ変わりますように。あなたと添い遂げられますように』
そう願って私は死んだ。
「また会えたね」
あなたにこう言うのは、十九回目ね。
あなたと添い遂げるまで、何十回でも、何百回でも、私は生まれ変わってみせる。
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