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微睡みのひとり旅
ひとり旅
春の風に乗って
ゆらゆら ゆらゆら
列車に揺られて
ゆらゆら ゆらゆら
窓越しの 光を浴びて
微睡み
うつら うつら
駅についたのだろう
列車が 止まった
微睡みから 現実へ
ふと窓をみる
窓越しに 一匹のヤモリ
へばりつき じっとしていた
どこから来たの
小さな手足
そろり そろそろ
動き出し
視界から 消えた
列車が動き出した
ヤモリくん どうなったのかな
窓越しの
景色を見ながら
再び ゆらり ゆらゆら
微睡む 午後
列車が止まった
終点だ
微睡みから 現実へ
ふと
何気にみた 窓
また 会えたね
ヤモリくん
落ちてなくて 良かった
ホントかな
ずっと 一緒だったのかな
きっと 一緒だったよ
ヤモリくん
ひとり旅の初めに 出会った
存在
言葉は 交わせないけれど
小さな生命の 存在
魂で 受け止めた
窓を見て
心の中で さよならを
ひとり旅は これからはじまる
ヤモリくん
また 会えたね
そう言える
きっと 旅の終わりころ
ヤモリくん
窓越しの ひとときが
待ち遠しい
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