鏡の国のおはなし

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 むかしむかし、あるところに、周りを鏡に囲まれたふしぎな国がありました。  その国は、国の出入り口である小さな門以外のすべての国境が鏡に覆われていました。  そして、国を出るための門までは、長い長い一本道になっておりました。  どうしてこの国は鏡がたくさんあるの、とある少年が母親に聞くと、それはもとからこの国がそうなっているからよ、と答えられました。  ですが、好奇心おうせい(、 、 、 、)な男の子はそれでは納得しません。どうして、どうして、と何度もたずねます。母親は困って、そんなに気になるなら王様にでもたずねてみなさい、といいました。  男の子は、どうしても国が鏡の壁に囲われている理由が知りたかったので、夜、こっそり王様の住むお城に入ってみました。  でも、お城に入る前に門番の人に見つかってしまいました。男の子は、捕まってしまいました。  本当なら牢屋に入れるんだがな、と一人の門番はいいました。しかしまだお前さんは小さいから、どうするか王様に聞かなけりゃならん。  もうひとりの門番はそういいました。  つぎの日の朝、男の子は兵士の男に連れられて、王様に会いました。  この少年が城へ入ろうとしたのです。どうすればいいでしょうか。兵士の一人がそう質問すると、王様は少年になぜお城へ入ったのかと聞きました。  この国がなんで鏡に囲まれてるのか知りたかったんです。男の子がそう口をとがらせると、王様は笑って、兵士たちに少年を放すよういいました。  そして、少年にこうもいいました。  どうして鏡があるのか知りたければ、西の果てまで旅をして、そこにいる魔女に聞いてみなさい。
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