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「それも言えないの? なら何で一緒に住まないのよ。結婚した意味ないじゃない」
頭がパニックになってきたところでリアナが再び口を開いた。
「フローラ、あんまり私のかわいい娘をいじめないでちょうだい」
「あらまぁ、それを言うならわたくしもリアナ様の『娘』ですわよ。お忘れかもしれませんが」
「ああ、そうだったわね」
リアナが今思い出したといわんばかりに、ポンと手を叩いた。
フローラはリアナと、大地の神・テスカとの子だ。つまり私とは異父兄弟だけれど、天使と違ってその関係に特別な意味は持たない。親子関係もまた同様に意味をなさない。リアナとフレイはやたらと自分をきにかけてくれているだけで、このやり取りが普通なくらいだ。
「アイリス、言えない事はハッキリと『言えない、答えられない』って言えばいいのよ。どんな事情があるのか知らないけど、口止めされているのでしょう? まるでわたくしが虐めているみたいじゃない」
「フローラの言う通りよ。答えられない質問にはセフィロスに口止めされているとでも言って置けばいいのよ。彼の名前だしとけば、みんな怖がって黙るから。そのために結婚したんだもの」
「は、はい......」
「そんな事だと、いつまでたっても引きこもり生活のままよ」
ううっ。分かっているけど、ウジウジと悩んでしまう性格はなかなか変えられない。どうしたら2人のように自信たっぷりに自分の意見を主張出来るようになるんだろう。
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