3. お茶会@花の神殿

8/9

20人が本棚に入れています
本棚に追加
/117ページ
「どこへ行こうとしていたのよ、それ」 「アルタからフローナへ行こうと思って、地図を見ながら歩いていたんですけど。そんなに道も複雑じゃないし」 「ま、待って、その距離を歩こうとしたの?」 「地図ではすごく近く見えたので」 「地図ではって、縮尺という物があるでしょ。普通、馬車に乗っていく距離よ」 「はい......。セフィロス様にも全く同じ事を言われました」  フローラは呆れを通り越して、哀れみの目でアイリスを見だした。 「そういう訳で、フローラ。ちょっとアイリスを連れ出してあげてちょうだい」  リアナが急な提案をフローラに持ちかけ始めた。 「え、何でわたくしが? セフィロス様がいらっしゃるではないですか」 「アイリス、セフィロスと一緒に花の都に連れてきてもらった時、どんな場所へ行ったんだったかしら?」  花の都と言うのはフローラの管轄地の首都だ。セフィロスに初めて連れ出してもらった時に案内してもらった。 「最初はプロネーシス図書館に連れて行ってもらいました」 「ああ、あそこは天界の中でも貴重な本が沢山あるものね。行って損は無いわ」 「それからガーネット通りの市場に行って……」 「市場って、どこの買い出しの主婦よ」 「天使たちのお土産に、鍬が壊れかけていたので農具屋さんに行きました」 「鍬ってあなた一体、なんの話してるのよ」
/117ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加