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市場は自宅では取れないような野菜やフルーツが沢山置いてあって興奮してしまった。
家に残った天使たちにお土産を何にしようか考えてみたら、そう言えば鍬が古くなって壊れかけていることを思い出して買って帰ったのだ。自給自足が基本の我が家では、農機具は重要品だ。天使たちはこれで畑仕事が捗るとものすごく喜んでくれていた。
最後に宝石を売る店にも立ち寄ったが、偽物を売る店で散々な目にあったので伏せておく。
「そんな感じです」
「は? それだけ?」
「はい、花の都で行ったのはそのくらいでしょうか」
「ウソでしょ」
フローラが驚愕の表情を浮かべている。
「女子に人気のピオーネ通りの雑貨屋や、生花を使ったアクセサリーが人気のマダムステラの店とか、パティスリー・ミリアのエディブルフラワータルトも食べずに帰ったっていうの?!」
とうとう両手で顔を覆って嘆き出してしまった。
そんなに残念がらなくても連れていってもらった時はすごく楽しかったし、私としてはセフィロスと一緒に出掛けられるなら正直、どこでもいい。
「ほらね。セフィロスに任せておくとこうなるのよ」
「ええ、セフィロス様が女心と言うものを分かっていないことがよーく分かりましたわ。」
アイリスにはよく分からないけど、2人はセフィロスに対する共通の認識を持ったようだ。
そんな訳で後日、フローラが花の都を案内してくれる事になった。
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