1. 久しぶりのお茶会

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 フローラは思わず頭を抱え込む。  そう、たったの10年。フレイとリアナの子供のお披露目が行われたのは、自分が仕事のために地上へ降りてから翌年の事だったと言う。  2層目の南を管轄地として治めているし他にも仕事は腐るほどあるので、天界に残ってもらった守護天使とは神鳥を使って絶えずやり取りしていたが、そんな事は1文字だって書いていなかった。    これは絶対リアナとフレイに口止めされていたな、と側で控える自身の守護天使をギロリと睨みつけると、花の天使たちはビクリと身体を震わせた。 「私たちも最上級神様達のご命令には逆らえませんよ。それに、フローラ様の命令違反もしていません」  天界に残っていた花の副・守護天使長がバツが悪そうな顔をして答える。  それはそうだけれど、どうにもムカムカとして腹が立つ。 「その虹の女神のアイリス様って、すっごくお綺麗な方だったんでしょう? いいなぁ、私もパーティーに行きたかったなぁ」  ヴィーナスが残念、と項垂れる。ヴィーナスは下・中級神なのでパーティーの対象者外だ。自分と同じ上・上級神のセリオンはこのパーティーに参加している。  地上から帰ってきて早々、久方ぶりに会う友人とお茶会をしてみたら、こんな話を聞かされたという次第だ。
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